2023.4月号vol.104

むし歯細菌が好む隙間

歯周病は、歯と歯ぐきの隙間などで細菌が繁殖することで、歯ぐきに炎症を引き起こします。

歯周病からお口の健康を守るためには、歯科医院で定期的にお口のメンテナンスを受ける予防が大切ですが、歯周病改善のためには、歯科衛生士による歯周病治療を行うことで歯周病菌の数と活動のコントロールをしていくことが重要になります。

しかし、喫煙をされている場合、しっかりお口のメンテナンスを受けていても歯周病の予防や改善が難しくなります。

喫煙は、全身の健康と同じように、お口の健康にも悪い影響を与えてしまいます。

歯ぐきの中には血管が通っており、炎症が起こっている部位の血管からは細菌と戦う成分(白血球など)が出てきますが、喫煙をすると歯ぐきの血管は収縮してしまい、その成分が出にくくなります。

喫煙は、体の防御力を弱めてしまうため、歯周病菌を攻撃する働きも弱くなり、その結果歯周病が進行してしまいます。

禁煙に取り組むことが、歯周病対策だけでなく全身の健康につながる大きな一歩になります。

2023.4月号vol.104

実は謎だらけの睡眠

人をはじめ生き物はなぜ睡眠をとるのかご存知でしょうか?

肉体的精神的な疲労を回復するため、脳を休ませるためなどの話を聞くことがありますが、実は、睡眠がなぜ必要なのかだけでなく、睡眠の仕組みについてもまだ解明されておりません。

そんな謎に包まれた睡眠ですが、1998年に筑波大学医学研究科の

柳沢正史教授がナルコレプシーという睡眠障害を解明し、2022年に国際的な科学賞であるブレークスルー賞の生命科学部門を受賞しました。

ナルコレプシーとは、過眠症(居眠り病)とも言われ、日中であっても場所や状況を選ばず強い眠気の発作が出る症状で、10~20代前半に発症が集中しており、14~16歳が発症のピークとなります。

柳沢正史先生は、睡眠と覚醒の制御に関係するタンパク質の「オレキシン」を発見することで、過眠症や不眠症の治療薬開発に貢献しました。

研究者によって、少しずつ解明されてきた睡眠について、今後更に明らかにされていくことに期待します。

2023.4月号vol.104

雛祭りには、どうして雛人形?

3月の代表的な行事といえば、「雛祭り」ですね。

ご自宅に雛人形を飾るという方もいるかと思いますが、なぜ雛人形を飾るのかご存知でしょうか?

日本では古来より、「形代(かたしろ)」と呼ばれる紙やワラ、木、土などで作られた人形に自分の体をこすりつけ、厄を移して川や海へ流す厄払いが行われていました。

平安時代になり、貴族階級の子ども達の間では、現代のおままごとのような遊びで紙の人形を使った「ひいな遊び」が流行しました。

この「ひいな遊び」と厄払いの「形代」が結びつき、人の身代わりに厄から守ってくれるという男女ペアの紙の人形が誕生し、貴族の間で飾られるようになったそうです。

中国では、3月3日を「上巴(じょうし)の節句」とし、季節が変わるこの時期に邪気を祓う行事があり、遣唐使によって伝えらたこの行事と、貴族の間で飾られるようになった人形が「ひな祭り」という行事になったと言われています。

2023.3月号vol.103

むし歯の大きさと歯の寿命

先月号のさくら通信(2月号vol.102)では、歯を失う原因第1位の歯周病についてお伝えしました。

今月号では、歯を失う原因第2位のむし歯についてお伝えします。

むし歯は、初期の段階であればむし歯菌の部分を軽く削るだけで治療を終えることができます。

むし歯が進行すると、むし歯菌は歯の内部で拡大し、やがて歯の神経まで感染してしまいます。

この時、痛みを感じることがありますが、むし歯の進行と共に痛みも感じなくなってしまいます。

神経が感染することで痛みは感じなくなりますが、その後もむし歯菌は歯の内部を壊し続けていきます。

むし歯の治療は、むし歯菌に侵食された部分を削り取るため、大きなむし歯の場合、歯を大きく削ることになり歯の寿命は短くなってしまいます。

2023.3月号vol.103

むし歯細菌が好む隙間

むし歯の治療のため多くの方が通院されていますが、どのような歯の状態がむし歯リスクを高くしてしまうのかご存知でしょうか?

むし歯の正体は細菌であるため、細菌が繁殖しやすい「隙間」に注意が必要です。

今回は、あまり知られていないむし歯ができやすい2つの歯の隙間をお伝えします。

また、本来歯ぐきに覆われている部分は、堅いエナメル質がないため、歯周病などで歯ぐきが下がることもむし歯リスクを上げてしまいます。

2023.3月号vol.103

節分で追い出された鬼はどこへ行くの?

この記事を読まれている頃には、すでに2月3日の節分は過ぎてしまっていると思いますが、皆様のお家では豆まきをされましたか?

節分は、中国の風習が日本に伝わったものですが、節分には「季節を分ける」という意味があり、立春、立夏、立秋、立冬の前日を全て節分と言います。

冬から春になる時期とされている立春(2月4日)は、新年を迎えるのと同じくらい重要な日として大切にされていたことから、節分と言えば立春の前日のみを指すようになりました。

季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じるという考えから、邪気を追い払い、無病息災を願う儀式として誕生しました。

豆を投げるのは、鬼の目という意味の魔目(まめ)と魔物を滅するという意味の魔滅(まめ)という語呂合わせから豆まきに繋がったようです。

では、豆まきで「鬼は外、福は内」と言われ、追い出された鬼はどこへ行くのでしょうか?

追い出された鬼の行き先は、明確には記録されていませんが、鬼は人の心の中にいるという考えから、邪心を抱く人の心の中に逃げ込むという考えがあります。

節分には、自分自身の心の弱さや邪心と向き合い、心を清めるという意味があるのかもしれません。

2023.2月号vol.102

新年のご挨拶

皆さま、新年明けましておめでとうございます。

今年は、どのようなお正月を過ごされましたか?

昨年11月からの新型コロナウイルス第8波の影響を受けて、遠出などを控えた方も多かったのではないでしょうか?

患者様はじめ、地域の皆様や共に働くスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、基本を大切にしっかり歩んでいくと共に、質の高い歯科医療を届けていくための挑戦を継続していきます。

川沿歯科医院は、本年も患者様の健康や気持ち、これからの生活に寄り添う歯科医療を目指し、皆様の笑顔を守る診療をお届けします。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

2023.2月号vol.102

歯を失う原因の第1位歯周病

歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。

歯周病は、お口の中の汚れが原因で細菌が増殖し、歯ぐきが炎症を起こしている状態ですが、進行が進んでしまうと歯を支えている歯ぐきや骨がなくなり、歯が抜け落ちてしまいます。

日本人の30歳以上の約8割が罹患しており、生活習慣病の一つにあげられる歯周病は、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞のほか、認知症への影響も認められています。

歯周病は「沈黙の病気」と言われ、痛みなど自覚症状がないまま進行し、重度になるほど改善は難しく現状を維持するための治療となってしまいます。

当院では、歯周病の改善に向けた治療だけでなく、歯周病を未然に防ぐ予防のための定期メンテナンスをご案内しています。

お口の定期メンテナンスでは、専用器材を使って細菌を取り除き口腔内を衛生的な環境にすることができます。

専門的な技術によって、細菌をコントロールし衛生環境を維持することが、歯周病予防や改善に効果的です。

2023.2月号vol.102

うさぎを英語で表現すると?

新たな年が明け、2023年が始まりました。

皆さんご存知のように、今年は十二支の4番目にあたる卯年です。

うさぎは英語でラビットやバニーと言いますが、この違いについてご存知でしょうか?

一般的に飼っているペットとしてのうさぎはラビットと呼ばれ、バニーは、子うさぎのことを指す言葉として使用されています。

また、子どもがうさぎのことを呼ぶときの幼児語として使われるため、日本語に訳すと「うさちゃん」といった愛称の意味合いもあります。

そのほかにも、ヘアと表現することもあり、これは飼い主のいない野うさぎを指して使用します。

では、童話「うさぎとかめ」に出てくるうさぎは、ラビット、バニー、ヘアの呼び方のうち何と呼ぶでしょう?

童話に出てくるうさぎは、森の中に住む飼い主のいないうさぎのため、ヘアと表現するのが正しいです。

日本語と同じように、英語でもいくつもの呼び方があることは面白いですね。

2023.1月号vol.101

年末のご挨拶

2022年も終わりを迎えようとし、今年最後の「さくら通信」となりました。

2014年9月から毎月発刊で始めた「さくら通信」は、先月で100号に到達することができました。

今年は、新型コロナウイルスのほかにも、暗いニュースが多かった1年だったと思いますが、皆様にとってどのような年だったでしょうか?

今年の川沿歯科医院は、定期的な全体ミーティングの開催のほかに、日本トップクラスの歯科衛生士として活躍されている先生を講師に迎え、3日間に渡る研修を実施することができました。

また、札幌で開業されている歯科医院を見学する機会もあり、それぞれが大きく成長できた1年になったと実感しています。

新型コロナウイルスの影響により、休診させていただくこともありましたので、来年は健康管理にもより気を配っていくと共に、

より良い歯科医療をお届けできるように更に研鑽を重ねていきたいと思います。