2022.9月号vol.97

熱中症対策がむし歯の原因になる!?

本格的な夏を迎え、皆さんはどのような熱中症対策をとっているでしょうか?

夏バテ予防に効果がある食事や冷却グッズを使用したり、塩分補給に塩飴を持ち歩くという方もいると思います。

中には、水分補給にスポーツドリンクを飲むことを推奨する記事などを見ることもあります。

スポーツなど運動をして失われる水分やミネラル、エネルギーを補給するためにスポーツドリンクは効果的な飲み物です。

しかし、歯を守るという視点から見ると、スポーツドリンクにはエネルギー補給のために糖分が多く含まれているため、むし歯リスクを上げてしまう注意が必要な飲み物になります。

また、糖分のほかに、歯を溶かしてしまう酸も含まれています。

スポーツドリンクには、歯を溶かして弱くする酸と、むし歯菌の大好物になる糖分が多く含まれています。

塩飴にも、糖分やクエン酸が多く含まれているので、スポーツドリンクと同じように、長時間続けて摂取しないように気をつけましょう。

命を守ためにも大切な熱中症対策ですが、スポーツドリンクや塩飴は継続して摂取しないように気をつけてください。

2022.9月号vol.97

むし歯再発リスクを抑え歯の寿命を守る

日本では、保険治療が一般的であり、保険が適用される代表的な治療の一つにむし歯治療の銀歯があります。

皆さんのお口の中に、銀歯はありますか?

銀歯は、本来の歯よりも強度があり高い耐久性がありますが、耐用年数は5~7年という調査結果が出ています。

歯と全く異なる素材の銀歯(金属)を装着するため、治療後5~7年以内には、歯と銀歯に隙間が生じ、その隙間から細菌が侵入することで、再びむし歯になり再治療が必要になります。

治療後、数年経過した銀歯を外すと、銀歯の下になっていた部分には大きなむし歯が再発しているケースも珍しくありません。

むし歯になり、歯が腐っている状態なっている部分は治療によって削り取らなくてはいけません。

このように銀歯で治療し、数年でむし歯が再発するのを繰り返すことで、治療のたびに歯を削ることから、やがて歯を失う結果となります。

歯は、永遠に治療を繰り返すことはできません。

むし歯にならないための予防が何よりも大切ですが、むし歯になってしまったときには、むし歯の再発リスクを抑える治療法を選択することが大切です。

2022.9月号vol.97

友人の歯科クリニック見学

7月17日(日)は、私の札幌で開業している大学時代の同期の歯科クリニックへ見学に行きました。

この日は、同じく大学時代を共に過ごした友人2人も盛岡から来ていたことで合同見学会となりました。

日々の診療を繰り返すだけでは、医院の改善点や新たな発見は難しくなることがありますが、他の医院を知ることで得ることができました。

治療技術や知識を得るための臨床セミナーとは違い、診療のシステムや医療環境づくりなど、友人だからこそ気兼ねなく聞くことができることも多くありました。

盛岡から来た友人の1人は、医院の建て替えを予定しており、これからの大きな挑戦に向けて期待と不安を抱えていました。

皆がそれぞれ、より良い歯科診療を実現するための取り組みや挑戦している姿を見て、活力をもらうことができました。

今回は、短時間の見学でしたが、ここで得たことを活かしていきたいと思います。

2022.8月号vol.96

子どものためにも大切な家族の健康

お子様のお口の健康を守っていくためには、お父さんお母さんなど一緒に暮らす家族の口腔健康も大切です。

特に、生活の中で子どもと長い時間を過ごすことが多いお母さんの口腔の健康状態は、お子様の口腔健康への影響も大きくなります。

親御さんから「お子様と大人でお箸やコップの共有は避けた方が良いか?」という質問を多くいただきます。

お子様と同居している大人の口腔内に、むし歯菌や歯周病菌などの悪い細菌が多い場合は、子どもにその細菌が感染する可能性も高くなるため、お箸やコップは使い回さない方が良いでしょう。

しかし、日常生活では、どんなに気をつけても限界があり、スキンシップやコミュニケーションの大切さを考えると、あまり神経質になり過ぎるのも問題と思います。

最も大切なのは、家族全員の口腔健康を良い状態にし、口腔内を衛生的な環境に保つことです。

細菌の感染経路になるお箸やコップの使い回しに注意するよりも、細菌の感染源である家族の口腔環境を改善することが大切です。

2022.8月号vol.96

認知症予防につながる生活習慣

先月号のさくら通信(7月号vo.95)では、正しい歯の噛み合わせとアルツハイマー型認知症の関係についてお伝えしました。

認知症と生活習慣には、深い関わりがあることをご存知でしょうか?

厚生労働省の調査では、日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計されており、65歳以上の5人に1人が認知症と診断されています。

また、糖尿病になると認知症の発症する確率は、通常の4.6倍というデータもあることから、脳の糖尿病とも言われます。

認知症を予防するための大きな取り組みはなく、生活習慣病の予防対策を実践することが大切です。

認知症予防につながる生活習慣では、適度な運動と十分な睡眠、栄養バランスの摂れた食事が基本になります。

糖質や塩分を控え、青魚、野菜、果物、大豆、オリーブオイル、コーヒー、緑茶も予防に有効です。

また、過度なストレスや飲酒、喫煙は、認知症リスクを上げてしまいます。

認知症予防には、新しい体験を生活に取り入れることや、料理など同時に複数の作業をすることも効果的なため、新しいことへの挑戦や取り組みをはじめてみてはいかがでしょう。

2022.8月号vol.96

錦岡小学校・日新小学校・南高校で学校検診

5月は錦岡小学校と日新小学校へ、6月には南高校へ歯科健診に行ってきました。

当院には、それぞれの学校に通われている子ども達も通院していることから、とても身近な学校です。

苫小牧市の小学校では、感染予防対策として一時中断していたフッ化物洗口液を使ったうがいが6月より再開しました。

フッ化物洗口液の使用は、むし歯リスクを抑える効果があることから、以前のように子ども達のむし歯発生率は低く抑えることができることを期待しています。

しかし、マスク生活が長引くなかで、マスク着用時の息苦しさから口呼吸になってしまい、口呼吸が習慣化されている子どもが増加傾向にあります。

口呼吸は、お口の中を乾燥させてしうことから、むし歯や歯周病、口臭のリスクを上げてしまします。

また、マスクをするためお口のケアも疎かになる傾向もあります。

マスク時間は長くなっても、お口の健康を守る意識は失わずに生活していくことが大切です。

2022.7月号vol.95

正しく噛んで認知症予防

皆さんご存知のように、お口は食事や会話をするうえで大切な役割を持っていますが、お口の健康と全身の健康にも深い関わりがあります。

お口の健康と全身の健康の関わりの一つに認知症があります。

皆さんは、しっかり噛んで食事をすることはできているでしょうか?

近年の研究では、しっかり噛んで食べるという行動が、脳への良い刺激となることで、認知症の予防に繋がる可能性があると言われています。

アルツハイマー型認知症の原因の一つとされているアミロイドβは、よく噛めない状態でいると増加するという研究結果も出ています。

ただ単純に噛んで食べることや一部の歯で噛むだけではなく、正しい噛み合わせでしっかり奥歯で噛むことが大切になります。

一部の歯が失われたままだったり、歯周病の進行によって歯ぐきが弱くなりしっかり噛めない状態では、しっかり正しく噛める状態の人と比べると、認知症リスクが高くなります。

むし歯や歯周病からお口の健康を守るだけでなく、噛むという機能を維持していくことも大切です。

2022.7月号vol.95

安全な歯科治療のために必要なお薬手帳

当院では、初めて来院される患者さんや、服用しているお薬が変わった患者さんに、お薬手帳の提示をお願いしています。

病気などで服用しているお薬が歯科治療とどのような関係があるのかご存知でしょうか?

例えば、骨粗鬆症の治療薬として処方されることがあるBP製剤(ビスフォスフォネート製剤)は、歯を抜く治療や、歯周炎の感染など注意が必要となる場合があり、BP製剤を服用していることを知らずに、通常の治療をしてしまうと重大な問題につながることもあります。

また、血圧で歯ぐきなどが腫れる場合もあるため、服用されるお薬の情報が大切になります。

BP製剤のように、世界中で使用されているお薬でも、歯科治療との関わりが難しいものがあります。

歯科治療を受診する場合は、現在服用している薬を伝えることや、お薬手帳を見せる、患っている病名を正しく伝えることで、より安全な歯科治療に繋がります。

2022.6月号vol.94

規則正しい食生活が口腔健康を守る

食事や間食の時間が定まらない、だらだらと間食をとるなどの食習慣の乱れが口腔の健康にも影響することをご存知でしょうか?

口腔内は通常「中性」で、この状態のときはムシ歯になるリスクは下がっていますが、食べ物を口の中に入れると「酸性」になり、口腔内はムシ歯リスクが高い状態となります。

酸性になった口腔内を中性に戻すために活躍するのが「だ液」ですが、だ液の働きだけでは限界があります。

ムシ歯を予防するためには、食事と食事の間隔をしっかりとることで、口腔内環境を中性に戻すことが最も大切になります。

だらだら食べをしてしまうと、常に口腔内が酸性の状態が続いてしまい、ムシ歯になる可能性が高くなります。

また、間食がお菓子やジュースなど糖分の高いものであれば、さらにムシ歯リスクが上がってしまいます。

メリハリのある規則正しい食生活を送ることがムシ歯予防につながります。

もちろん、きちんとした歯磨きも大切なので、食後はしっかり歯を磨きましょう!

2022.6月号vol.94

健康のためにストップ!だらだら食べ

食事や間食の時間が定まらず、だらだらと食べ続けるなどの食習慣の乱れは、健康にとっても良いことではありません。

「だらだら食べ」とは、朝昼晩ご飯や間食とは別に、何かをしながらお菓子やジュースなど食べ続けている行動を言います。

だらだら食べが招く健康リスクに高血糖の持続があり、高血糖の状態が続くと動脈硬化の進行によって血管などの組織が傷付くほか、インスリン抵抗性も上がることで糖尿病リスクも高まります。

「仕事をしながら」「テレビを見ながら」飲食をし続けている習慣はありませんか?

意外にも、「いつの間にか食べ物を手にして、無意識に食べている」ということもあります。

習慣になってしまっただらだら食べを止めるためには、どうすれば良いのでしょう?

だらだら食べには、「簡単に手が届くところに食べ物を置かない」「食べ物を買い置きしない」などの対策が効果があるようです。

そのほかにも、だらだら食べを改善するためには、お菓子など何かを食べる時にも「いただきます」「ご馳走さま」を言うことで、「食べる/食べない」にしっかり線を引き、食事の時間とそれ以外をしっかり分けることを意識付けることも効果的です。